ロンドンでの個展前に準備をしたこと(作品以外)

こんにちは、画家の atsuko です。アートで暮らしを豊かにするヒントについて書いています。
日本画作品(一部)

日本画作品(一部)

画家活動

個展を開催することが決まれば、あとはその展覧会をいかに成功させるか、そのために準備が必要です。

個展とはそもそも、何のために開くのか。

そして、作家としての個展開催を成功させることができた筆者が、どんな準備をして臨んだかといったことを振り返って書きたいと思います。

個展の成功とは…個展は何のために開くのか

展覧会を行うよさとしては、自らの作品を振り返ったり、見てくれた方に作品についての感想、意見をいただいたりすることで勉強になる、意欲が高まるということがあります。また、展示期日に向けて作品制作を頑張れる、といったこともメリットです。

しかし、作家として作品を販売したいと思う場合には、

友人や直接の知り合い以外の、アート好きの人たちにも足を運び、作品を観てもらうということにも注力しないといけません。そして、作品を購入してもらうということが、大きな仕事になります。

つまり、作品をただ展示するだけでは、展示をする意味を半分しか達成していない感じがあります。(私はも学生のときの展示では、ほとんどがこのパターンでした)

私がロンドンで個展を開催した際には、作品展示だけでなく、販売の面でも、目標を達成することができました。

少しでも多くの人に展示を観に来てもらうため、準備をしておいたことや、考えておいたことを書きたいと思います。

個展前に準備をしたこと

よい会場を選ぶ

これは、かなり大きな要素です。いくら素晴らしい展示をしても、会場が不便なところにあれば、偶然ギャラリーを通りかかった人や、アートが好きで、新しい作家の作品を興味を持って観るような人に観に来てもらえる可能性は低いでしょう。

イベントを企画する

私の場合は、似顔絵プレゼントのイベントを行いました。ただ展示をしているだけより、話題や人を集めるきっかけになったのでよかったと思います。

DMをつくる

人の興味をひくようなDMも、とても大事です。また、そのDMの写真や文字が、その展覧会の様子をよく伝えるように、また必要な情報をきちんと網羅する必要があります。

私の場合は、友人にイラストレーターを使える人がいたので、お願いをして一緒にデザインをつくってもらいました。

また、質の良い印刷業者さんで印刷をすると、DMそのものもちょっと素敵なものが出来上がります。

DMを配る

知り合いや、前に作品を購入してくださった方のみならず、ギャラリー近くのカフェやお店、図書館なども回ってDMを置いていただきました。

ウェブサイトをつくる

大体の人はインターネットで情報を集めますから、ウェブサイトは必須です。ウェブサイトは、いつも最新の状態に更新しておきます。

ソーシャルメディアを投稿する

私はインスタグラムをやっているので、展覧会に向けてなるべく毎日投稿して、フォロワーやいつも見てくれる人を増やすように心がけました。

本来であれば、複数のSNSを運営して宣伝、集客するとよいと言われています。

その他の告知や宣伝

  • ギャラリーのウェブサイト

そのギャラリーを好きな方々に情報を届けるのですから、ここでしっかり情報を流してもらうことはかなり重要です。

  • ローカル新聞

新聞やローカル情報ペーパーなどに展覧会情報を載せてもらう(取材してもらう)と、思わぬ人が読んでいて、会場に足を運んでくれることもあります。また、新聞に取材をしてもらい記事になったとなれば、作家の信頼度アップにもつながるでしょう。

新聞は、自分で記者さんに連絡を取り、取材してもらえる場合もあります。

  • 雑誌

アート雑誌やインテリア雑誌など、アート好きな人の観るであろう雑誌はよい宣伝場所かもしれません。有料で広告を載せられるものもあるでしょう。ただ、全国規模の雑誌は、有名な美術館などでなければ、特定の場所に足を運んでもらうきっかけとしては弱いかもしれないなと思い、私は利用しませんでしたが…。

  • 直接の知り合い

友人や知り合いに来てもらう、これは貴重な意見をもらえる点で有難いことです。またアート好きな知り合いなどを連れてきてもらえることもあります。

ポートフォリオをつくる

最新のポートフォリオ(タブレットだけでなく、ファイルにまとめる)も、とても大事です。会場に来て、作家や作品に興味をもった方が、他の作品を見てみたい、経歴を知りたいといった場面は多くあります。

来場者プレゼントを用意する

先着人数を決めて、ポストカードプレゼントなど。やはり作品販売につなげたかったので、グッズを販売することはやめました。

キャプションをつくる

好き嫌いがありますが、作品を販売したい場合には、作品の下や横に表示するキャプションに、題名とともに値段を書いておくのがよいと思います。キャプションにない場合、値段を知るためにわざわざ一覧がある場所を見つけたり、ファイルを開いたりしないといけないというのは、見る側にワンステップ追加してしまうことになると思います。

プライスリストをつくる

作品の価格一覧をつくっておきました。様々なサイズ、素材等の作品を販売するのですから、買ってくださる方に説明可能な値段を設定しておかなければなりません。

しかし一度リストをつくってしまえば、今後作家活動をしていくときの値段設定の基準ができます。

オープニングパーティーを企画する

オープニングパーティーは、やはり人を集めるきっかけになりますし、観に来る方との交流のために必要です。これは展覧会の大きな目的ですから、恥ずかしがり屋さんでもちゃんと開催しましょう。

展示中は、なるべく会場にいるようにする

展覧会会期中は、なるべく会場にいるようにしましょう。

展覧会をするということは、作品を来場された方に観てもらう、とともに、自分という作家を知ってもらうということが大きなよさです。作品を見てもらった方にお会いして、言葉を交わすことで、作品とともに作家の人となりを知っていただく、信頼していただくということが何より大事なので、その機会を最大にいかすことです。

平日の来場者があまり見込めなかったり、他の予定で忙しかったりという場合には、週末だけでもいいと思います。

個展の準備は、これらの作業を一つ一つ自分でしなければなりませんから、時間と労力がかかります。しかも、作品制作と同時にですから、気持ちが焦ってくることもあります。

しかし、私も少しずつ準備を重ねたことが功をなして、多くの人に観に来てもらう、また観に来てもらった方との交流が出来たことで、個展では売り上げの面でも目標を達成することができました。

せっかくの展示の機会です。しっかりと準備をして臨むことはとても大切です。

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