ラグやカーペットの楽しみ方
現代日本の住宅ではフローリングの部屋が増えるにつけ、ラグはますます人気ですね。
日本家屋の畳敷きであってもその保護や、模様替えのためにラグはとっても有効です。
ロンドンで暮らしたときに、いろいろな住宅で見たのは、素敵な古いラグをそれぞれのインテリアに取り入れている様子。
でも、ラグやカーペットって、衛生面はどうなんだろう?
色々な種類があって、どれを選んだらいいのか分からない…
私もこの辺りはずっと疑問でしたが、
自分なりに分かったことを交えて、まとめてみたいと思います。
ヨーロッパの人は、ヴィンテージラグも大好き
ラグは、ヨーロッパの住宅には必ず敷いてあります。もともと板敷きの床なので、寒いヨーロッパにおいて部屋の中に暖かさを取り入れるため、必須のアイテムなのでしょう。
◎ヨーロッパ人は地球にやさしい、そして経済的な中古を選ぶ
ヨーロッパ人は、基本的に古いものが大好き。
ラグもおばあちゃんからもらったものや、ヴィンテージで買ったもの等をずっと使っているよう。年数が経ち、色に深みが出て、生地も古びてくるのを楽しんでいるのです。時代を超えたデザインの美しさを感じるのも、古いものを楽しむコツ。
複数のラグを、重ねて敷いたり、壁に掛けたりして楽しんでいます。
私の友人も、遊びに行った際には 「これはおばあちゃんの、これは旦那の実家からの…」 などと古いラグを自慢していました。
また、ヴィンテージ等の中古ラグを購入する場合、金額面でもとてもお得です。
新品のペルシャ絨毯は、例えば4畳ほどの大きさでも20万円程度する、というのは普通です。
これがヴィンテージであれば、数万円もすれば、大きくて素敵なものが沢山見つかります。
これが、ヨーロッパの人々が古いものを取り入れる理由の一つでもあります。エコでもあり、経済的なのですね。
ラグやカーペットのお手入れ方法とは
やはり日本人として気になるのは、衛生面!
丸洗い出来ない天然素材のラグや、大きくて洗えないサイズのカーペットなど、もし汚してしまったら…と不安ですよね。
◎イギリスでは
カーペット洗浄用の洗剤がスーパーに普通にあり、これがとても強力と知り合いは言っていました。
敷き込み (取り外さない) のカーペットであれば、住み替えのときには専門業者が入り、彼らもこういったタイプの洗剤を使って、カーペットを敷いたまま清掃していると思われます。
そもそも暮らし方の違いとして、ヨーロッパ人は、日本人のように、床でゴロゴロする習慣がないので神経質にならなくてよい、というのはあります。
しかし西洋人といえど、子供は別。子供や赤ちゃんは大体の生活を床の上でしていますね。私のロンドンでの友人宅でも例外なく、赤ちゃんが古いラグの上をハイハイしたりしていました…
ですから、気にしなければ大丈夫ってことなのでしょう。(私の知る彼らは、家の中では、さすがに土足は脱いでいました。) 古びてくるのも個性のうちですから。度々感じていたことですが、日本人に比べてヨーロッパ人は、機能面より美しさ、伝統的な様式を大事にするという面があります。これもその最たる例な気がします。
そしてヨーロッパの乾燥した気候も、敷きっぱなしカーペットに適しているとは思います。梅雨とかは無いですからね。
◎日本でのお手入れは
- 掃除機、コロコロ…日常的なお手入れに
- スチーム洗浄機(ケルヒャー等)…スチームの勢いで熱する+浮かせて拭き取る
- リンサークリーナー(アイリスオーヤマ等)…ノズルから水を出して汚れを浮かす+吸い取る機能のある家電も便利そうです。
- 重曹やブリーチタイプなどの洗剤でふき取る。
- どうしてもの際は、専門業者さんにクリーニングを依頼する。
このあたりを必要に応じて組み合わせれば、かなりの場合は何とかなりそう。
業者さんも、天然ウールのラグのお手入れは、
「ウールの油分が汚れを弾くので、中まで汚れが浸透しにくい。何かこぼしても拭くだけで大丈夫。たまに陰干ししてください」
と言っています。
私なら、さすがに赤ちゃんや子供が食事をするダイニングテーブルの下は避けますが、それ以外であれば大体どんな場所でも、思い切って置いてしまっても平気そうです。
少しの汚れは経年変化のうち、と考えて、大事なラグを長く楽しめるといいですね。
ラグやカーペットの種類には、どんなものがあるか
ペルシャ絨毯
ラグと一口に言っても、材質や模様など種類は様々ですが、やはりペルシャ絨毯…ウールや、中でもシルクで織られたものが最高級と言われています。
キリム、ギャッベ
日本では近年キリムやギャッベ、後に紹介するモロッカンラグが人気のようです。民族や地域、そして織り方や用途の違いがあります。
キリムは中央アジア一帯の遊牧民により織られ、生活の一部としたら使われてきたもの。
ギャッベは、同じく遊牧民の織り物。キリムと比べてよりざっくりとした織りや、自然のモチーフ (木や動物など)が使われるのが特徴的です。
白の入った明るめの色合いのデザインなどは、和風のシンプルなインテリアともマッチしますね。
洋室に置いても、ザ・絨毯という感じよりは、ナチュラルな雰囲気や、シンプルな部屋に暖かみを加えるのにぴったりです。
モロッカンラグ
バニワレンや、ボシャルウィットといった、民族や地域によるテイストの違いがあるようです。
キリムと並んで、現代の和室にも洋室にもマッチするデザイン・色合い。
民族調のボヘミアン、より都会的なボーホースタイルも演出出来ますね。
モダン
色面で構成されたもの、北欧調など様々なデザインが見つかります。イケアやカーペットビスタなどで色々見て、好みのデザインを探すとよさそうです。
日本の絨毯
山形緞通(だんつう)など、日本人の職人技で制作された高級絨毯ブランドや、
抗菌やホットカーペット対応など、日本の暮らしにあう高機能の製品も様々に見つかりそうです。
我が家でラグを実際に使ってみて (キリム、イランのラグ、アクリルラグ)
我が家にも、所々ラグを使っています!
- ウールのキリムラグ【玄関】
我が家の玄関マットには、キリムを使っています。
もう使用して3〜5年程になりますが、全くヘタった感じや古びた感じもしません。
玄関なので、多少の土、ホコリはつきものの場所ですが、今のところ汚れも気にせず使えています。匂いもしません。
お手入れは、廊下の掃除機をかけるときに、一緒に掃除機をかけるだけ。
床の上では少し滑ってずれやすいので、100円ショップの滑り止めグッズ使っています。
- アクリルの毛足長め+イランのラグ(ウールorシルク)【リビング】
リビングのラグは、アクリル?ぽい、毛足の長い大きなものと、その上にイラン製の、織り模様の美しいラグを重ねて敷いてきます。
なぜラグを重ねているのかというと、
下のアクリルラグのほうは、もともと頂きもので家にあり、それはそれでよかったのですが
幼い子供のいる我が家では、やはりレゴや工作をした際の紙屑など小さなものが取りにくい+汚れが毛足に入り込む機会が多い
という理由で、毛足の短いラグを重ねて使っています。
普段は飲み食いはあまりしない場所なので、これで問題ありません。
- キッチンのコットンラグ、キッチンマット
キッチンで使っていたコットンのラグは…時々洗濯していたせいもありますが、数年で縁が解けてきてしまいましたが、キッチンという場所を考えると満足です。
ニトリのシンプルなキッチンマットは、10年ほど使っていますがまだ現役です。キッチンで汚れるので、足元にやさしいこれを敷いておけば、十分かと。
- 和室の子供部屋には円形のコットンラグ
子供部屋にも、コットンのラグがありました。
円形や鮮やかな色で、子供部屋の雰囲気が出来ますね。
フカフカしたラグは、床座りで遊ぶときに、予想以上に気持ちがいいです。
ラグは大きいアイテムなので選ぶのにも勇気がいりますが、意外と多く肌に触れるものでもあります。
日本人は昔はちゃぶ台に座布団で床で生活していましたから、その名残でついつい、床に寝そべってリラックスするという過ごしかたがありますね。
我が家も、ソファーがあるのになぜか、ソファーを降りて床座りや、ゴロゴロしているときが多々あります。
気に入ったラグと暮らせば、暮らしの満足感を確実に上げてくれますね!
我が家の玄関のラグを購入したショップ(8年ほど前ですが)はこちら↓