ロンドン・リッチモンドのハムハウスを訪ねる-自然に囲まれた豪華貴族の館でインテリアとガーデンの歴史を感じよう-

こんにちは、画家の atsuko です。アートで暮らしを豊かにするヒントについて書いています。
日本画作品(一部)

日本画作品(一部)

イギリス・ヨーロッパ

ハムハウスとは

ハムハウスとは、ロンドン西部のリッチモンドエリアに、17世紀に建造された貴族の館です。ロンドンでも指折りの、幽霊の出る館としても有名だとか。

現在はナショナル・トラストによって管理され、一般公開されています。

テムズ川にほど近く位置しており、かつては「楽園」と呼ばれた、自然に囲まれた環境の中にあります。

ガーデンが有名で、ラベンダーをはじめ春から秋にかけての種々の花々、そしてその中でも「キッチンガーデン」と呼ばれる、食べられる植物のお庭も充実しています。

ハムハウスの見どころ、そして私がハムハウスを訪れて見つけた素敵なものについて書きたいと思います。

ハムハウス外観
ハムハウス外観

外観


かつては自然に囲まれていることがこのお屋敷のウリであったようですが、

お屋敷の周囲は草地や林で囲まれており、その中の小道を歩いて向かいます。この草地には、春~秋は牛が放牧されています。

私たちはバスで向かったので、最寄りバス停から建物入口まで10分ほど歩きました。
または、リッチモンド駅から向かう場合は、テムズ川沿いに遊歩道があり、川の景色や周辺のお店を覗きながら歩いても3,40分で着くようです。この遊歩道もとても素敵なのでおすすめです。

ハムハウス前庭
ハムハウス前庭

建物が見えて来たら、そびえ立つレンガのお屋敷に、到着したらテンション上がること間違いなしです。
映画のロケにも時々使われるようですが、近代的な建物などが周囲に見えないので、昔の雰囲気をそのままに感じられます。

ガーデンは、この建物の裏手にしつらえられています。

建物内の様子


入口を入ると、まずは大広間になっています。床の模様が特徴的です。

ハムハウス大広間
ハムハウス大広間

ハムハウスは、お庭で様々な作物を育てていることが特徴の一つですが、
その植物の一部を建物内にところどころディスプレイしており、私はそれがとても気に入りました。

ドライフルーツの飾られたコンソールテーブル
ドライフルーツの飾られたコンソールテーブル

昔のお屋敷を見に行くと、いつも建物や調度品がきれいに配置して展示されていますが、当時の生活感まで感じられるところは多くありません。
ハムハウスでは、少しだけ自然のものを取り込んだ生活の雰囲気が想像させられ、素敵だなと思いました。

数ある部屋のひとつ
数ある部屋の一つ
窓のノブも凝ったデザイン
窓のノブも凝ったデザイン

窓のノブも素敵です。イギリスの人たちは、金属の金具などに凝るのが好きだな~と思うことが度々でしたが、
このような歴史あってのことなのですね。ドアノブや、水道のハンドルなど水回りの金属部分を、オシャレなデザインにこだわっているのをよく見ます。

飾りのついたヒーター
飾りのついたヒーター

ヒーターひとつもこんなに豪華。これ、現代のお家にあってもすごーく素敵ですよね。

天井のモールディング
天井のモールディング

天井のモールディングが、豪華でありながら繊細で、自分好みでした。

使用人のキッチン
ここには、子供が遊べるゲームが置いてありました。他施設では、こういう場所で、子供用に体験学習が出来る場所にしてあるところも多いです。

キッチン
キッチン
キッチンの食器棚
キッチンの食器棚

このお皿たちも価値あるものなのか?クリーム色に統一されたキッチンも素敵だなぁなどと思いながら見てしまいます。日本では、地震があるのでこういうディスプレイは工夫しないと難しいかもしれませんが。

窓辺に飾られた水差し
窓辺に飾られた水差し

こんなアンティークの花瓶をぽんとおくだけで、窓際が様になりますね!

ハムハウス建物内の本当の目玉は、400年ほど前にコレクションされた貴重な調度品の数々だったりします。

私は写真を撮るのを忘れてしまったのですが、
有名な象牙色のキャビネットや、チャイナ食器のコレクション、ミニチュア絵画の部屋など、他にたくさんの見どころがあります。(詳しくは公式ホームページの画像を見てくださいね…)

ガーデンに面した部屋
ガーデンに面した部屋

外から入るようになっている部屋。収穫した作物を置いたりする場所だったのか、
庭のお花を無造作に生けてあって素敵でした。

ガーデン


こちらのガーデンは、建物が建てられた当時の様子を復元するという意図で現在もデザインされているようです。

ラベンダーのガーデン
ラベンダーのガーデン

刈り込まれた生垣に囲まれたwalled gardenであり、そしてキッチンガーデンという、食べられる野菜などを植えるガーデンの規模では、ロンドンの中でもかなり大きいもののよう。野菜といっても畑というよりは、見た目にも楽しくガーデンがデザインされているといった印象です。

私が訪れたときは、ラベンダーが美しい初夏でした。
ラベンダーの他にも、四季折々の草花を楽しめるようです。

400年も昔に、こんなに美しいお庭を造っていたなんて、
イギリスのガーデンの歴史の長さを感じます。

カフェ・ショップ


元の温室の建物を利用したカフェでは、ガーデンで育てられたオーガニック野菜等を使った食事を楽しめます。
お土産を見つけられるショップや、中古本を売るコーナー(時期による)もあるようです。

ハムハウスのあるリッチモンドを訪れるなら


リッチモンドは高級住宅街として知られるエリアですが、観光の見どころもたくさんあります。
まず有名なのは、野生の鹿に会える(かも)リッチモンドパーク。広すぎるので、ここに入ると使っかなりの時間を使ってしまいますが、自然を堪能できます。

リッチモンド駅周辺は劇場もある賑やかなエリアです。手ごろな飲食店が揃っていますし、ショッピングも楽しいです。

また、リッチモンド駅~ハムハウスの中間あたりにある Petersham Nurseries ピーターシャム・ナーサリーというお店が有名です。
Nurseryというのは園芸店の意味ですが、植物を売るコーナーのほかにレストラン、カフェや雑貨店のコーナーが大人気。

ピーターシャムナーサリー
ピーターシャムナーサリー

レストランは、ミシュランのグリーンスター(持続可能な取り組みをしているレストランに認定)を獲得しています。私はロンドンに2店舗あるうちのもう片方、コヴェントガーデン店に行きましたが、モダンでオシャレなイタリアンの雰囲気のメニューでとっても美味しかったです。

ピーターシャムナーサリーの中の、The Teahouseというカフェではアフタヌーンティーもいただけます。
レストラン、アフタヌーンティーともに予約必須です。

私がリッチモンドに住む友人に案内してもらったときには、リッチモンド駅~徒歩で向かえる「テラスガーデンズ」(小高い丘というか、山の雰囲気)の遊歩道を歩き、丘の上のカフェから景色を見る~丘を降りてピーターシャムナーサリーズ見学~テムズ川沿いを散歩しながらリッチモンド駅に戻る
というコースで、午後をのんびり過ごしました。

頑張ればハムハウスやリッチモンドパークの一部だけ見る、というのも、一日のお出掛けの中に組み入れられるかと思います。

公式ホームページ↓

Ham House and Garden | London
The National Trust’s Ham House is a rare and atmospheric 17th-century house on the River Thames in Richmond, near London...

アクセス

タイトルとURLをコピーしました