ジョン・ソーン・ミュージアム Sir John Soan’s Museum とは
西洋インテリアの好きなひとなら、萌えてしまうであろう!ミュージアムを、ご紹介します。
ミュージアムというと、様々なものがケースに陳列してあって、それぞれについての解説を読み…というイメージですが、このミュージアムは、はそのイメージとは全く違う場所です。
そのコレクションの大半は、ローマ時代などの古い建築の装飾、またはそのレプリカ。
このような装飾が、人物の彫刻などと交じり合うように、壁いっぱいに隙間なく掛けられているのです。
植物だったり、空想の動物だったり、その一つ一つの形が、現代を生きる私から見ると独創的だったり、ただただ美しかったり。
この場所、インテリア雑誌にも特集されたりするようで、イギリスの(世界の)方々も、どうやったらこんなお部屋がつくれるのか、このエレガンスを少しでも我が家に、と思ってしまうのでしょうね。
訪れた人は誰しもが、こんな空間は、見たことがない!と圧倒され、またその世界観にどっぷりとつかってしまうこと間違いなしです。
ジョン・ソーン氏とは?
というのもここは、ジョン・ソーンという建築家 (イングランド銀行の旧建物を設計した) の、自宅だった建物であり、それを可能な限り当時のまま、保存してある場所なのです。
自宅とはいえ、当代一の建築家の、立派なお屋敷。絶えずお客が尋ねたり、弟子たちが出入りして勉強する場所でもあったよう。
そして、その弟子たちや自分のために、彼は膨大な建築装飾のコレクションをこのお屋敷一杯に所有していたのです。
ソーン氏の生きていた頃は、新古典主義の時代で、こういった装飾で飾った建築物を、多く設計しているようです。
その参考のために、もあるのでしょうが、
実際にミュージアムを訪れると、コレクション収集へのソーン氏の並外れた執着心を感じます。
ジョン・ソーンミュージアムの様々な部屋
この、中央の吹き抜け棟以外にも、
・不気味に薄暗いモンクズ・パーラー
・書斎のレッド・ルーム
・客間のイエロー・ルーム
・ピクチャー・ルーム(当時の有名な風刺画家の版画シリーズ、ベニスの風景画や建築物の絵を所蔵する)
などの様々な部屋や小さなスペースが、それぞれに特徴をもっています。それぞれの場所の細部へのこだわりは、ここでは語りつくせません!
特に印象的だったのは、イエロールームのコンベックス(凸型)ミラー…存在感に圧倒されます。
コンベックスミラーは、狭い交差点に設置してあるあれと同じものでしょうか?広い範囲を映せるので、空間が凝縮されたような、不思議な雰囲気が演出され、鏡一枚ですがひとつのアート作品のようです。鏡ひとつでも、部屋の主役になるんだなぁ…と勉強になります!
このミラー、ミュージアムの中でも人気者のようで、ショップに似たデザインのものが販売されていました。
部屋の壁は明るい黄色。その中にダークなカラーの家具や古い絵(これも考えてみたら黒とか)、このミラーの縁にも黒が使われていますが、この色合わせがモダンでおしゃれな印象を醸し出しているのでしょう。
ミイラの棺は必見!
そして、最大のお宝は、エジプトのミイラの棺です。当時、大英博物館が、高価すぎて購入出来ず、ソーン氏が買い落としたのだとか。‘
少し透ける大理石でつくられた棺が、とても美しいのです。この写真では分かりませんが、棺はこの部屋に降りて真横から見ることが出来、そうすると天井からの光が透けたように見えて、なんともミステリアスな美しさになるのです。
イベントなど
ミュージアムでは、様々なイベントが開催されています。
夕方以降の時間、暗がりの中を、ろうそくで照らされたミュージアムを体験できるイベントは、私もぜひ参加してみたかったです。昼間でも薄暗く多少不気味な館内、キャンドルの灯りの中ではどんな雰囲気が味わえるのか…さながらお化け屋敷のようなのでは…
参加料は掛かりますが、シャンパンなどのドリンクや、その時々のテーマに関するトークを聞くことも出来るよう。
アクセス、詳細
場所は、大英博物館近くの、地下鉄ホルボーン駅から徒歩3分ほど。
ロンドンの他のミュージアムと同じように、入場無料なので、観光の合間にちょっと覗くことも出来ます。
公式ホームページ
ミュージアムやソーン氏の歴史について、「オンライン・ジャーニー」さんに詳しく解説してあります。私も在住時はよく活用させていただきました↓