ウィリアム・モリスとは【イギリスを訪れるなら・日英のインテリアショップ】

こんにちは、画家の atsuko です。アートで暮らしを豊かにするヒントについて書いています。
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アート
William Morris's famous Strawberry Thief pattern (1883). Original from The Smithsonian Institution. Digitally enhanced by rawpixel.

ウィリアム・モリス とは

ウィリアム・モリス (1834-1896)とは

言わずもがな、イギリスの、おそらく歴代で1番有名な、デザイナー。

ロンドンでも、リバティをはじめ、彼の作品を目にすることがやはり多かったです。

日本でもモリスのデザインは人気で、

洋服やいろいろなグッズになっているものも、本当によく見る気がします。

このモリスという人物は一体どんな人か、

そしてロンドンで見つけたモリススポット等について書きたいと思います。

ウィリアム・モリスとはどんな人?

ウィリアム・モリスは、デザイナーでありながら、思想家、詩人、社会活動家など、とても多彩でリーダーシップもある人物であったようです。

芸術界ではアーツ・アンド・クラフツ運動のリーダーでした。

アーツ・アンド・クラフツ運動では、

近代工業革命により、安くて質の悪い製品が大量生産されている現状に異を唱え、

「手工芸の美しさ」を復興させようと、テキスタイルを始め、壁紙や家具作りをするMorris & Co.を設立しました。

モリスの代表作

ウィロウ・ボウ

William Morris’s (1834-1896) Willow bough famous pattern. Original from The MET Museum. Digitally enhanced by rawpixel.

いちご泥棒

William Morris’s famous Strawberry Thief pattern (1883). Original from The Smithsonian Institution. Digitally enhanced by rawpixel.

モリスの名言

またモリスは思想家でもあり、

「役に立たないものや、美しく無いものは、家の中に置いてはいけない」

などの名言を残しています。

ロンドンで必見の、モリススポット

V&Aのモリス・ルーム

こちらはロンドン中心のチェルシー地区にある、ヴィクトリア&アルバートミュージアム(通称V&A)

の中にある、

3つあるダイニングルームのうちの1つの部屋。

壁面はモリスの名作ウィロウ・ボウの、レリーフバージョンで覆われていて、

とてもスペシャルな空間です。

まだ駆け出しであったモリスがこの仕事を受け、デザイナーとしての名を成したということです。

クリスマス時期。同タイプの部屋が3つあり、これはモリスの壁紙では無い部屋ですが、雰囲気は似ています。モリスの部屋は、緑〜青色の壁紙やデコレーション。

現在は、美術館内カフェの一部になっており、

好きなものをセルフで選べるランチは、

こんな素敵なお部屋で食べていいの⁈と驚いてしまうほどの気軽さ。(ロンドンなのでそれなりのお値段はしますが)

カフェでいただける食事。トレイもモリスの柄♡

私はロンドンに知人が来たときなどは、必ずと言っていいほどここを訪れていました。

何と言っても、ミュージアム全体の赤レンガの建物もとっても美しく、

こんな場所にタダで入れるロンドン、最高!!と思わずにいられません。

The world's first museum café · V&A
The V&A Refreshment Rooms have been hailed throughout the years for their wealth and breadth of ornamentation, reflectin...

ウィリアム・モリス・ギャラリー

ロンドン東部にある、モリス・ギャラリー。

もとはモリスが母や家族と暮らした家だそうです。

モリスが生きていた当時の製品やモリス商会の歴史を、展示物を通して、リアル感をもって知ることができます。

共に制作、活動をした家族や同時代のアーティストについての展示も充実しており、とても興味深かったです。

特に私が感動したのは、モリスが描いた、テキスタイルデザインの下図でした。

William Morris’s Honeysuckle (1874) famous artwork. Original from The Birmingham Museum. Digitally enhanced by rawpixel.

(上の写真はそのものではありませんが、このようなデザイン原画を見ることができます)

私の見たものは、鉛筆で、デザイン中の細かいドットや花びらの線描の影までもがびっしりと描いてありました。

モリスはこの作業が一番好きだった、と解説にあり、

あぁ、ものづくりの人なのだなぁと実感をもつことができ、感銘を受けました。

モリス博物館の外観​
モリス博物館の外観

またモリスは「美しい本」をつくるため、活字の開発や自家出版にも力を注ぎましたが、その功績なども詳しく見ることができ、興味深かったです。

モリスと共に仕事をし、活躍の一助を担った妻や娘のメイ・モリスの作品なども。

Home - William Morris Gallery
Welcome to the home of the world’s largest collection of William Morris’ work. Sharing the rich artistic and social lega...

レッド・ハウス

レッド・ハウスはロンドン東部にある、モリスのデザインした、結婚後の新居です。

新婚から、モリス夫妻が、実際5年程ここに住みました。

レッド・ハウスという名の通り、赤レンガの壁の美しい家です。

内装はシンプルながら(当日流行の、ヴィクトリア様式に反して) 、手仕事の多い、凝ったデザインになっておりいます。

オリジナルの家具やディテール、壁紙や壁画も見ることが出来ます。

Red House │ London
Discover Red House, the iconic Arts and Crafts home of William and Jane Morris, cared for by the National Trust.

ケルムスコット・マナー

コッツウォルズの南部、自然に囲まれた場所にあるケルムスコット・マナー。

レッドハウスの後にモリス夫妻と、緊密な関係にあった画家のロゼッティが移り住んだ場所です。

元は農家の家だったものを、モリス夫妻が買い取り、こちらは家の元々の姿にあまり手を入れないで住居としていました。

自然のモチーフをデザインにしばしば取り入れたモリスにとっては、インスピレーションの源であったよう。

コッツウォルズの、典型的ならはちみつ色の家の雰囲気であり、部屋の中にはモリスのファブリックなどがしつらわれています。

Home - Kelmscott Manor
Visit William Morris's ‘Heaven on Earth’, Kelmscott Manor.

モリスデザインを取り入れた現代のインテリア

現在でも、Morris&Co. のブランドで、インテリアファブリックは大人気ですので、

日本の色々なお店でモリスのデザインを取り入れたインテリアを購入できます。

筆者のミニ額入り水彩画を、​モリスの紙を貼ったフレームに飾っています
筆者のミニ額入り水彩画を、モリスの紙を貼ったフレームに飾っています

ロンドンでも、いまだにモリスの人気を伺えたのは、例えばこんなところでモリスのファブリックを見たとき。

ロンドンのスタイリッシュなインテリア雑貨屋さん Pentreath & Hall (ペントリース&ホール)にて、

モリスのデザインをオリジナルカラーで展開しているファブリックを使ったクッション等を扱っていました。

Pentreath & Hall
For those seeking the beautiful & unusual

このファブリック達、お店の共同オーナー?であり、イギリスの著名インテリアデザイナーである Ben Pentreath 氏が Morris&Co.とコラボレーションしてデザインしたもの。

日本でも、こちらのサイトでベン氏のデザインを紹介しており、取扱店舗も検索できます。

BEN PENTREATH
ベン・ペントリース 英国内で最も著名な建築家でありインテリアデザイナーのひとり。 エディンバラ大学にて美術史を専攻。卒業後Prince of Wales’s Instituteにて建築学を学び、2004年からロンドンでインテリアデザイナー、...

また、大手のサンゲツでは、モリスデザインのインテリア商材を集めた「モリスクロニクルズ」を展開しているなど、多くのショップで取り扱いがあります。

MORRIS CHRONICLES (モリスクロニクルズ)|サンゲツ
"MORRIS CHRONICLES(モリスクロニクルズ)"は、モリスのデザインが持つ世界観やストーリーを大切に、Morris&Co.とサンゲツの新たな物語として登場した壁紙、ファブリック、床材のコレクションです。

Fiqでは、モリスの生地を使った、様々なおしゃれな商品も。

https://www.fiq-online.com/cateTop.php?id=TnbDNdmhKZjNHKKV3e9F9aw36D5D5h7b

現代らしく、軽やかな色彩にアップデートされたモリスのデザイン。

150年の時を経ても、魅力は色褪せません。

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